舞台『ゆれる』上演レポート

2024年、7月31日(水)〜8月1日(木)の2日間、東京舞座の新作舞台『ゆれる』が、座・公演寺2で上演された。気になる舞台初日の様子をレポートでお届け!


約2年ぶりの東京舞座公演。出演者数もカンパニー公演としては過去最大となる。上演日当日、キャストは一足早く楽屋入りし、ステージでムービー撮影を行っていた。


「劇場に着いた途端、絵本の色が付いてなかったところに仕上げの色が足されていくような。愛があり心地よく幸せ」と実感を語る島津華子(煙の姉妹役)。佐竹日和(マユナシ役)は「いつかこういう作品で踊りたいって思っていた憧れの夢の舞台に立てて嬉しい。私なら何ができる?と考えました」と振り返る。

演出の池島優(ダイノジ役)
楓(プリンセス役)、かわいもか(ビビッド役)、San.(ウルフ役)
佐竹日和(マユナシ役)と永井思充(煙の姉妹役)
かわいもか(ビビッド役)と島津華子(煙の姉妹役)
中谷夏葉(鬼の子役)と楓(プリンセス役)


衣裳とメイクが完成すると、身も心も『ゆれる』の登場人物に変身するダンサーたち。客席でキャストが見守る中、各キャラクターを象徴するシーンの撮影が進んだ。

開演30分前、初日公演を観ようとロビーは多くの来場者で賑わっていた。スタンドフラワーや過去作のポスターが並び、フォトブースで写真を撮る人も。今回は舞台上だけでなく、会場の各所に団員のアイデアが散りばめられている。

クラウドファンディング支援による特設フォトブース。
ロビーに過去作のポスターが登場。

楽屋ではヘアメイク、動線の確認、ウォームアップなど上演に向けての最終チェックが行われていた。緊張と高揚の入り混じった空気がバックステージに漂う。

シスター役のアプレンティスと夕空想生(茨のメルヘム役)
左から時計回り 近藤いちご(博愛さん役)、大坂絵莉(コノジ役)、漁野萌々香(チュノジ役)、夕空想生(茨のメルヘム役)


5 minutes before the performance


上演までの制作期間を「ずっと続きそうな気がする。これで終わりって感じがしないです」と話す楓(プリンセス役)。結末のシーンについて、リハーサル最終日まで悩んでいた近藤いちご(博愛さん役)は「自分の出ているシーンだけじゃなく、作品全体のことをみんなで話し合えたのもよかったです」と振り返る。

「前回の本公演から2年経って、役や作品に対しての考え方が成長できたかな」と語る中谷夏葉(鬼の子役)。かわいもか(ビビッド役)は「メインダンサーになって初めての公演。わくわくです」と意気込んだ。

座長の風花(蝶々鉄仮面役)は「ストーリーがあるようでない。後半にかけてはお客様の想像力で完結していただく物語になりました。説明の少なさを受け入れてもらえるか不安もありますが、観た人の数だけ解釈が生まれるのが楽しみです」とモニターに映る客席を眺めながら答えた。「もう次のことを考えています。ダンサーも今が一番良い時期ですし、お客様の注目が高まっている間に次の作品を出したい」と演出家の池島優(ダイノジ役)は語る。



それぞれの思いを持って臨んだ今回の舞台。上演後もロビーではキャストと来場者の会話が飛び交い、興奮冷めやらぬまま舞台1日目が終了した。